英会話のためになるNEWS
N政権の下で、ブルッキングス研究所はリベラルの巣だから焼き打ちをかけようと提案し、その計画を練ったC・Kはhatchetman(ハチエットマン、殺し屋という意味もあるが、政治の世界では人の悪口を言ったり批判をしてまわる悪役のこと)の典型だ。
それよりもう少し優しい役まわりのhenchman(へンチマン)やhack(ハック)という言葉もある。
「ハチエットマンは冷酷に働き、へンチマンは子分として指示されて動き、ハックは機械的に汚れ役をさせられる」と、N大統領のスピーチライターだったWはその違いを述べている。
1992年の選挙でB陣営は汚い選挙運動はしない方針をたてたが、PR担当のMが、相手のC陣営をやっつけようとして、相手側はbimboeruptionに悩むだろうと書いたニューズレターを配布した。
bimboとは売春婦のこと。
ruptionは火山が爆発するように噴きだすという意味。
C候補に次から次へと女性問題がでてくることを露骨な表現で表したものだった。
B大統領はおおやけの席で彼女を叱責し、本人も行き過ぎでしたと謝ったが、本当はB本部から許可をえてやったのではないか、という疑いを持つ人もいる。
もしそうなら、これはsurrogatesleaze(下の連中にやらせる汚い手)といわれる手口だ。
もっともsurrogateは本来、候補者が行けない会に代理として出席させる地位の高い人物のことをいうので、それほど汚いニュアンスはないのだが、ここでも悪貨(悪いニュアンス)が良貨(いいニュアンス)を駆逐したのかもしれない。
1992年の大統領選挙で「台風の目」になっていたテキサスの億万長者Rは、いったん選挙から身を引き、終盤にまた選挙戦に参加することになった。
既成政党の枠組みの外から大統領の座をねらおうとしただけに、その言動はこれまでの選挙運動の常識を破るものが多かった。
Nの朝のニュースショー「T」で視聴者からの質問をうけて、自分の考えを述べるというコーナーで、彼はこういっている。
今の選挙制度を完全に改革しなければならない。
私に「サウンドバイト」できるかって?ノー」だ。
(ユダヤの賢人の)Sが「サウンドバイト」できたか?それも「ノー」)選挙運動には莫大な選挙資金が要る。
テレビや新聞の広告で候補者が自分を売り込むことが認められているアメリカでは、テレビのコマーシャルにものすごい費用がかかる。
最初の予備選挙が行われるニューハンプシャーのような田舎の州でも、30秒のテレビCMを流してもらうのには1000ドルはゆうにかかるし、そもそもCMを制作する費用はさらに高い。
そこで候補者たちは、視聴者が全国ニュースの最大の情報源としている全国テレビネットの夕方のニュースの時間に、自分の言動をニュースとして取りあげてもらえるようにするか、その日の出来事についての気の利いた短い発言をして、それを電波に乗せてもらう、ということに心を決めていた。
この何秒かの発言がsoundbite、またはsound-biteなのである。
放送、とくにテレビ番組で、政治家などおおやけの職に就いている人などが行う、録音された短い発言と説明されている。
この辞書では1972年に初めてこの言葉が使われたとなっているが、どこでいつから使われるようになったのかは必ずしも明確ではない。
N大統領のスピーチライターで、N紙に保守派の立場から気の利いたコラムを書き、新語・造語の起源に大きな関心を持つWも、結局はどこからきた言葉かを突き止めることができなかったといっている。
しかし新聞の切り抜きや、ある部分の短いフィルムをclip(クリップ)というように、テープの一部分がbite(バイト)と呼ばれるそうだから、ビデオ・テープが普及した1960年代後半ころからテレビ制作関係者で使われ始めたのではないかと思われている。
C大学サンディエゴ校のDは大統領選挙の年ごとに、このサウンドバイトの時聞がどう変わったかを調べたところ、1968年の431秒から1988年の89秒にまで、年々短くなっていると結論づけた。
これでは候補者がいおうとしていることが必ずしも正確に伝わらないし、選挙運動をする側もサウンドバイト用に短く格好いい言葉だけを編みだして、選挙運動をゆがめるという思考が生まれた。
ブソレッキングス研究所で政権とマスコミとの関係について研究しているSは、自らもよくコメントを求められ、それがテレビのニュースで引用されてきた経験から考えて、テレビ局側では最初からニュースで取りあげるコメントができていて、ニュース番組の制作者がそれに合った発言だけを全体のインタビューから抜きだすようだが、それは不誠実だと批判する。
こうしたことから、Cニュースは、大統領選挙で候補者の発言を短く取りあげる時は30秒以上使うとの方針を打ちだした。
それはそれでひとつの見識だが、どれほど内容がよくとも30秒以内ならボツになるということでもある。
1988年、B大統領(当時はもちろん大統領候補)は長い指名受諾演説のなかでReadmylips:Nonewtaxes(私の唇をみてほしい。
新税は設けない)1988年11月、大統領選キャンペーン中のPと言明した。
この簡潔な表現には共和党とBの考えが凝縮され、それが有権者に伝えるメッセージは大変明確である。
このため、この表現はサウンドバイトの典型として大いにもてた。
しかし、あまりにも簡潔なサウンドバイトは両刃の剣でもある。
人々がだれでも覚えられるこの言葉をきちんと記憶したため、1990年にB大統領が増税に賛成せざるをえなくなって以来、同大統領には「公約違反をした大統領」というイメージがつきまとうこととなった。
気が利きすぎたサウンドバイトはマイナスにもなる。
古い話だけれど戦前のアメリカ映画に、MrSmithGoestoWashington(邦題「S都へ行く」)というF監督の名作があった。
今でもテレビで流されることがあるし、ビデオ店に行けばそのビデオがあるのではないかと思う。
田舎の州の上院議員が死亡し、その後任として知事から指名されたのが世間知らずの若いボーイスカウト指導者、J演ずるところのJ。
この州選出のもうひとりの上院議員Jは、Sの亡くなった父親の親友で若いころ理想に燃える仲間だったこともあって、上院議員になったSは強い尊敬の念を抱き教えを乞いに行く。
だが、やがてPが州の政治ボス、Jに抱きこまれた汚職議員であることを知ってしまう。
そこでP議員が進めようとしている利権漁りの法案をつぶすため、美人秘書の助けを借り、何時間でも演説を続けて法案審議を妨害できる上院特有の制度、filibuster(フィリバスター)の手段に訴える。
この問、P議員の黒幕Tはあらゆる方法でSつぶしにかかるが、Sは屈することなく、ついに良心の珂責に悩むペイン議員が自殺し、真相が明るみにでて、ワシントンの悪は追放され、Sは秘書と結ばれるという、いかにもハリウッド調の映画だった。
この映画ができたのは1939年のこと。
上院を侮辱する映画だとしてワシントンの記者団からは抗議が殺到し、そのころ駐英大使だったK大統領の父親Jは米国の政治が欧州で誤解されるとして、欧州での上映中止をコロンビア映画に求めたほどだった。
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